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「意識」とは何だろうか―脳の来歴、知覚の錯誤
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| 商品カテゴリ: | 人文,思想,学習,考え方
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認知神経科学のよい入門書。
認知神経科学の知見をきちんと受けて書かれた入門書。
入門書ゆえ不明瞭だったり、説明不足だったり、論理の飛躍も散見されるが
概して高いレベルにあると言える。
「来歴」という著者の概念は、身体、環境、個体の経験、遺伝子的要因、さらには種の歴史まで含んでしまうあまりに広い概念。
科学的研究に有効に活かすには、さらなる改良が必要だろう。
知覚の錯誤の分析を入口として、「心を知る」可能性を論じた本
著者は、人間の精神(心や意識)を、脳科学などの科学的方法と知識を拠り所としてどこまで可能なのか試みている。その試みの背景には、新たな人間科学を追及する必要性と価値を認識した著者の思想があるように思えます。
知覚の錯誤を入り口として、身体から脳へ、そして脳と個体を離れた環境との関係へと対象範囲を広げて行く方法は理解しやすく納得性があります。そして最後に心を知る可能性が論じられていますが、そのことについて、著者は次のように述べています。次第に外堀を埋めて行くと、旧来の科学的方法では無意識を対象とすることは出来るかもしれないが意識を対象とすることは出来ないのではないか、と。
一つのキーワードとして「脳の来歴」という概念が提示されていますが、これは身体と脳と外部環境が時空において総合されているという考え方で、デカルトが提出し近代の科学的態度の基礎となっている心身二元論を超える可能性を示唆しています。倫理や社会についても言及されていますが、人間という種は、人間科学の本来性を追及して行く限りにおいて、避けることの出来ない課題を解決し続けていくことが出来るのではないか、という希望が見えてくるように思えました。
明晰だが難解
前著『サブリミナル・マインド』同様、論旨は明晰だが、新書としては内容が高度で難解です。
「脳の“来歴”が「錯誤」(不適応)と「正解」(適応)を定義する」というテーゼを理解する事が肝。
良質の科学的思考が良質の哲学的思考に自然に接続されている稀有な例だと思う。
脳と心の科学は必然的に哲学的問いを招き寄せざるを得ないが、科学から哲学へと射程を延ばしつつ
胡散臭さを感じさせないことに成功している例はあまりないように思える。
失敗している例なら、日本の自称脳科学者某のクオリア論などいくらでもあるのだが。。
「意識」に直接科学で食い込むのは困難なので、まずは客観的に扱いやすい「無意識」を科学的に究明する
という、搦め手から責める方針が的を射ているのだろう。
堅実な研究と思考の積み重ねこそが既成の哲学的パラダイムをも引っくり返すパワーを持つのだ、
ということを改めて確信させられる。
サールらの「心の哲学」から精神分析との関係にも若干言及され、最終章では倫理までも論じられているが、
さらに哲学的関心を拡げるとすれば(メルロ・ポンティやハイデガー、レヴィナスをも含めた)
現象学系の哲学との擦り合わせ及び批判的再検討が考えられるだろう。
もちろん既にやっている哲学研究者はたぶんたくさんいらっしゃるだろうが、
認知科学が哲学に不可逆的な進化を強いることこそが重要な点。
端的に言えば、認知科学を正確に理解していない現象学者は淘汰されてしかるべきだということ。
それが科学の力だと思うし、まぁ暴力性かもしれませんが。
倫理的に
最終章で人間の倫理的な問題に触れているのがとてもよかった。意識の問題を突き詰めるとき、人間とは何かということに突き当たる。あるいは、どこまでが人間なのかと。サブリミナルマインドでの著者の楽観的な見方とは裏腹に、こちらの本は何か受け入れがたい、でもそういうことなんだろうかという見方を見せられた気がした。
心が広がる!
この本を読んで、最初に浮かんだ言葉は「心は孤立していない」ということです。
プロのバーデンダーが同時に数百の注文を記憶できることの例などで、記憶についての認識が変わりました。そして、意識が自分の脳や身体の中だけにとどまるものではなく、環境に広がっていくということが再認識できます。シンクロニシティも、この環境と自分がつながっていると考えると納得いきます。
この本を読んだ後に散歩したとき、外の世界が自分の一部に感じられ、幸せな気分になれました。下條さんが、この本の裏のストーリーとした「心が世界との関係を取り戻し、そこへと還流するまで...」を少し感じられた気がしました。
講談社
サブリミナル・マインド―潜在的人間観のゆくえ マインド・タイム 脳と意識の時間 まなざしの誕生―赤ちゃん学革命 視覚の冒険―イリュージョンから認知科学へ 意識の科学は可能か
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